離婚をしないメリットについてまとめるとは言いつつも、もちろん、不倫自体を許すべきだという意味ではありません。

実際に、恋愛情報メディア「愛かつ」のアンケートでも、過半数の人はパートナーの浮気を「許さない・許せない」と答えています。

もちろん、許せないと感じるのは根拠があります。ひとつは当然ながら「裏切られた」と感じるからです。夫婦であれば、仮にも永遠の愛を誓い合った仲です。そして婚姻生活を続けていく以上、パートナーのためにさまざまな面で妥協したり、尽くしたりしてきた人も多いはずです。夫のためであれば、自分が疲れていても、相手を労ったり、支えたりするのが妻の役目と、健気に頑張っている人も多いことでしょう。

それにもかかわらず夫に浮気をされてしまえば、自分の努力や思いを踏みにじられたような気がして、当然怒りや悲しみが湧き出てきます。その結果、相手のことを許せないと感じるのは、極めて「普通」のことでしょう。

また、他の女性と肉体関係を結んだことから、相手のことを汚らわしいと感じてしまう人もいるようです。たしかに、別の女性と関係を持った夫と、もう一度夫婦の営みを持とうと思っても、体より心が先に拒絶してしまいそうですよね。実際に、浮気をされたのち、ふたたび夫とセックスできるまでに時間のかかる人も多いようです。

さらに、なかには「浮気相手の方がルックスで劣っている」という複雑な感情を抱く人もいるようです。よく知られていることですが、実は浮気をする男性は、外見よりも内面に惹かれることが多いと言われています。そのため、妻の側から見ると、自分よりも見た目で劣っている女性に夫を寝取られたことになり、その事実を「屈辱的」と感じてしまう人もいるようです。

いずれにしても、過半数の女性はあくまで浮気を「許せない」と感じていることは間違いありません。

さて、さきほど浮気を許さない人が「過半数」いるという表現をしました。たしかに、半数以上の人は、浮気を許せないと感じています。ところが、実際にその数字は全体の55％程度であり、過半数といっても、かなりギリギリのライン。

逆に、45％、つまり同じく約半数の女性は、浮気をされても許していることがわかったのです。

もちろん、結果的に許した、という意味であって、夫に浮気されたことに対し、なにも感じない、という意味ではありません。浮気をされた直後は怒りもあったことでしょうし、悲しみで途方に暮れていたかもしれません。

しかし、それにもかかわらず、約半数の女性は結果的にパートナーの浮気を許しているのです。女性の中には、この数字に対し「信じられない」と感じる人も多いかもしれませんが、実際のデータとして、記憶に留めておくことは大切かもしれません。

では、なぜ45％の女性は夫の浮気を許してしまうのでしょうか。もちろん浮気は夫婦の問題であり、それに対する考え方も千差万別ですが、共通点として、次のようなものが考えられます。

共働き夫婦であればまだしも、専業主婦をしている女性にとって、離婚は感情だけで決断できるものではありません。離婚をすれば、当然自分の生活費を自身で稼ぐ必要があります。

ところが長年主婦をしていた女性は、ほとんどの場合、簡単に就職できるわけではありません。見つかる仕事といえばせいぜいアルバイトかパートばかりで、家賃を稼ぐのがやっとといった給与しかもらえません。

まして、自分だけならまだしも、子供がいるとなると状況はさらに悪化します。もちろん養育費を払ってもらうことはできますが、それで2人分の生活を完全に賄うのは困難かもしれません。シングルマザーが支払いに困窮し、生活保護状態に陥ってしまうことは決して珍しくないのです。

このように経済的な不安のある女性は、たとえ夫の行為が許せないとしても、離婚するわけにはいかないという理由があるのです。

浮気をされたのは許しがたいことですが、だからといって離婚をしてしまえば、一人ぼっちの生活になってしまいます。

すでに相手に対する愛情が冷め切っていれば話は別ですが、まだ夫のことを愛している場合は、未練を引きずることになります。そんな状況で離婚後の生活を想像すれば、当然寂しくて仕方がないと感じるでしょう。

そのような感情を持っている女性にしてみれば、浮気は許せないものの、許してさえしまえば今の生活が続くわけですから、ついつい夫の浮気を許容してしまう可能性は十分にあり得ますよね。

夫に浮気をされたことに対し、原因は自分にあるから仕方がない、と考える女性もいるようです。たしかに、浮気の原因の多くはパートナーにもあるといわれています。すでに夫婦の関係がうまくいっていなかったとすれば、そのように考えてしまうのも仕方がないかもしれません。

ただ、性格的に夫を責められない人もいるようです。なんでもかんでも人のせいにする人よりマシですが、逆になんでも自分のせいにしてしまうのも、健全とはいえませんよね。

浮気の原因は、意外と根深いものなので、しっかりと話し合うことが大切でしょう。

男性は浮気をするものだと、最初から諦めてしまっている女性もいます。もちろん、このような女性がまったく傷つかないかというと、そういうわけではないのでしょうが、一般的な女性よりはだいぶ許容範囲が広いかもしれません。

たとえば、ちゃんと家族の世話をしてくれ、お金も納めてくれるなら、少しくらいの火遊びには目を瞑ろう、といった具合に考えているかもしれません。あるいは、完全に夫を経済道具とみなし、毎月給料さえ稼いでくれれば、他の女性のところにいても全く構わない、といった特殊な価値観を持っている女性もいるかもしれません。

ただ、あくまで少数派の価値観なので、男性はこのような女性を期待しない方が無難です。

上記の価値観を持つ女性にも多い考え方ですが、「どうせ夫は最後には自分の元に戻ってくる」、という自信を持っている女性もいるようです。

男性は多かれ少なかれ浮気をするもの。一度くらいの浮気にいちいち目くじらを立てても仕方がない。どうせ最後には私が頼りなんだから、一度くらい目を瞑ってあげよう。

そんな風に実に懐の深い女性も、世の中に入るようです。昭和の芸能人の妻のような発想ですが、もちろんこれも、あまり期待しない方が無難でしょう。

夫に不倫をされても、許してしまう女性が多いこと、そして許す理由について分かりました。では、実際に夫に浮気をされた場合に、夫を許すメリットはあるのでしょうか。

夫と離婚しない最大のメリットは、経済的に頼ることができる点です。実は夫と離婚しない理由として、経済面を掲げる人は少なくありません。たしかに愛情によって結ばれた2人ですが、いざ家族となった以上、夫は生活を支えてくれる存在でもあります。とくに子供がいる場合には、その比重はさらに大きなものになるでしょう。

離婚をするということは、経済面の大黒柱を失ってしまうことになります。主婦や経済力の低い女性にとって、これはなんとも避けたいところ。

しかし、浮気を許してしまえば、夫を失わずに済みます。たしかに感情的に蟠りは残りますが、その後の数十年もお金を稼ぎ続けてくれることを考えれば、一度くらい目を瞑っても、あるいはお釣りがくるかもしれません。

このように経済的支柱を失わずに済むというのは、大きなメリットといえます。

離婚は夫婦の問題ですが、子供がいる場合は話が別です。子供には父親または母親と離れて暮らす生活を強いることになり、場合によっては苗字が変わることもあるでしょう。

また、愛すべき存在である両親の離婚は、子供にとって大きな精神的ダメージとなります。表面的には理解のあるフリをしても心の奥底で確実に深い傷となり、人格形成にまで影響を与えてしまうことも少なくありません。

もちろん、だからといって険悪な夫婦関係を続ける方が子供には悪影響かもしれませんが、もし夫とやり直す覚悟があるなら、子供のためにも、離婚はなるべく避けた方がいいでしょう。

夫の性格にもよりますが、浮気がバレて上に、離婚まで見送ってくれた妻に対し、罪悪感や感謝の念を抱くケースが多くあります。たとえ、これまでは夫が主導権を握っていたとしても、浮気を機に、夫婦の関係が逆転することも少なくないのです。

実は、この精神的変化が、夫婦に良い影響を与えること多々あります。しばしばいわれるように、女性が主導権を握る家庭は、比較的平和でうまくいくもの。浮気がバレたことにより、夫は妻に頭が上がらなくなり、ギクシャクしていた夫婦関係がかえって良くなった、という人も多いのです。

浮気がバレたことにより、捨てられるのは間違いないと思っていた夫が、妻に許されたことで、妻に対する愛情が深まる、といった話もよく聞きます。さきほどお伝えしたように、浮気を機に夫婦関係が逆転するというのは、決して珍しい話ではありません。

そして、夫は自分を許してくれた懐の深い妻に感心し、その後は妻にだけ愛情を注ぐようになったりもします。男性も意外と義理がたい部分があったりするのです。

夫婦関係は、他人同士が一緒になっている以上、恋愛ドラマのように美しくはいきません。紆余曲折があって、それを乗り越えた末に、あるべき形に落ち着くものです。浮気を経ることによって、むしろ夫婦の絆が深まるケースもあるということを、しっかりと覚えておきましょう。

前述の話に関係しますが、実は探偵に浮気調査をする人のうち、多いところでは8割近い利用者が、離婚ではなく「復縁」の道を選んでいることがわかっています。

わざわざ何十万円ものお金を払って証拠を集め、復縁するというのは、他人からすれば実に奇妙な話ですが、それが現実のようです。

やはり多くの女性は、経済的不安を理由に、夫との離婚を見送るケースが多いようです。しかし、浮気の証拠があれば、いつでも離婚ができ、また慰謝料を請求することができます。

逆にそのようなお守りがあるからこそ、夫に対して強く出ることができるそうです。

夫の浮気が許せず、離婚をしてしまえば、たしかに気持ちは収まるかもしれません。しかし、その後の生活や、本当の意味での夫婦関係を考えると、離婚だけが唯一の道でないこともわかります。

離婚が間違っているわけではありませんし、それもひとつの選択です。それでも、安易に決断するのではなく、本当にやり直す方法はないのか、自分に非はないのか、そういった点について、冷静に考えてみる必要はありそうですね。

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